キックオフパーティーであえてトラブルを起こす研究について
今回は面白い論文を見つけたのでみなさんに紹介したいと思います。
それがこちらの論文です。
山口雄太郎
西本一志
情報処理学会インタラクション2024論文集
1P-85
P570-573
この論文では、大学生における中長期間続くようなグループでの取り組み(グループワーク)のキックオフパーティーにおいて、テレビ番組のモニタリングであるようなトラブルを発生させることの効果について検証されています。
内定者研修、新入社員研修でプロジェクト型の取り組みを実施する場合などの参考になるかと思います。前職ではちょっとしたピザパーティーというのが実施されていましたがそういうシーンでも使えるかもしれません。
キックオフパーティー全体の流れは下図のように解説されており、30分程度の食事会の間にトラブルを発生させることのことです。
実験では、トラブルを発生させる郡とそうではない郡を分けて、その違いを分析されています。また、トラブルを発生させるためにグループ(6人)の中に1人、いわゆる仕掛け人が用意されています。
具体的に発生させたトラブルは以下のとおりです。
・飲み物を 1 種類のみ用意する
・携帯から大量の通知音を鳴らす
・飲み物をこぼす
これらのトラブルを発生させたときに、誰が、どのように振る舞うか?というのがポイントで、そこでの動き方が、その後のグループワークの役割分担に影響を与えるか?というのが研究の趣旨となっています。
論文では、対象者にアンケートを取得し、その効果を検証しています。
上画像にあるように、過半数の方がトラブルがグループワークの役割決定の参考になったと回答されているようです。非常に面白いですね。
個人的には仕掛け人はどのように感じたのかも聞いてみたいところです。モニタリングでは仕掛け人側が面白そうですしね。
いずれにせよ個人的には面白い実験でした。みなさんもぜひ論文を読んでみてください。
山口雄太郎
西本一志
情報処理学会インタラクション2024論文集
1P-85
P570-573